『JTD (Just two dots)』(ひろさわ監督)インタビュー
- 1 日前
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Axi(s)Rhythm:
作品制作の経緯についてお聞かせください。
ひろさわ:
Axi(s)Rhythmや*Animation Runs!で、ストーリーのない純粋なアニメーションを何回か見て、「あ、そうか、これでもいいのか」と思ったんです。
一つの何かから別の何かへ移る、モーフィングというか、テレポートというか、そういうことだけをやっても成立するんだなと思って、それでAxi(s)Rhythm用に制作しました。
Axi(s)Rhythm:
「ドット」という要素が出てくるわけですが、ご自身の解説にも書かれているように、普通はもっと小さなものを想像してしまいますよね。
原子レベルのような細かいものではなく、もう少し大きな、細胞のようなレベルのものをイメージされていたのでしょうか。
ひろさわ:
スマホのアプリアイコンの右上なんかに表示される小さな丸を「通知ドット」って言うらしくて、「あ、ドットってこういう使い方をしてもいいんだな」と思いました。
参加者A:
私は「右往左往」というキーワードを挙げさせていただきます。
「右往左往」という言葉そのものの意味というよりも、いろいろなモチーフが出てくる中で、序盤の「右」と「左」という文字のモチーフが、とても強く印象に残りました。
その意味で、さまざまなモチーフが出てくる中でも、文字や言葉の強さというものをすごく感じました。
いろいろなモチーフを使われていますが、その中で文字というものを使ったことや、ほかのアイテムとの違いについて、どういうふうに考えられていたのか、お聞きしたいと思いました。
ひろさわ:
前作の『視力検査』もAxi(s)Rhythm用に作った作品なんですけれども、あれでも一応「右」と「左」がテーマになっていました。
劇映画なんかだと、右へ行くか左へ行くかでかなりニュアンスが変わってきたりするんですが、この作品ではそこまで考えてはいないですね。
それよりも、「右」のときは部首の中身が「2(II)」になっていて、「左」のときは「1(I)」になっているんです。
つまり「1、2、1、2」になっているという。あれは、そういうことです(笑)。
参加者A:
途中で球根みたいなものが出てきましたが……。
ひろさわ:
あれは玉ねぎです。玉ねぎが安かったので買ってきていて(笑)。
この作品に関していうと、そこまで深い意図があるわけではなくて、思いついたものを「あ、これはドットからドットへ動く感じでアニメーションにできるな」と思って使いました。
Axi(s)Rhythm:
玉ねぎが出てきたら、やっぱりスライスされて変容していくのが自然じゃないか、というような感じなんですかね。
ひろさわ:
そうなんですかね。本当は、ドラゴンクエストのスライムでやりたかったんですけど(笑)。
ドットからドットへ動くというアイデア自体は去年くらいから考えていたんですけど、そのドットが実は同一直線上にあって、結局一つのドットなんじゃないか、という発想は、ひょっとしたらクロイ(タダシ)監督が前回のAnimation Runs!で発表されていた『Two Dog(単数形)』という作品の影響があるかもしれないなと思っています。
参加者B:
今回のAxi(s)Rhythmを開催する前に、この作品を実は見せていただいていて、突然メッセージが送られてきたんですよ。
去年のAnimation Runs!で私が出した作品と「被ってしまっているんじゃないか」とおっしゃって、ものすごく長文の謝罪文が急に送られてきて(笑)。
でも全然そんなことはなくて。
ひろさわ監督らしい爽快感があるというか、「もうちょっと見せて、もうちょっと見せて」と思っているところで、さっと切り上げて次のシーンへポンと移る、あの感じが本当に好きなんです。
最初のほうの「FPS 24」とか、ああいう遊びをちょこちょこ入れているところも本当に好きで。
もう、ただ単に好きだという告白みたいになっているんですけど(笑)。
参加者C:
やっぱり最初に見たとき、「これは『視力検査』だ」と思ってしまったんです。すみません(笑)。
それで『Just Two Dots』というタイトルだから、「ドットはどこにあるんだろう」と探したわけです。ところが見えない(笑)。
見えなかったので、事前アンケートに「ひろさわさんは僕の100メートル上空を飛んでるんだ」って書いたんですけど、100メートル上空にあるドットは僕の視力じゃ見えないということで、結局今回も視力検査で乱視だったんだな、と思いました(笑)。
でも、解説も読んでみると、小さい点のことじゃなくて、例えばあの男の人が歩いていることとか、左右の足跡もドットなんだという話で、「えっ、そうなのか」と思ってびっくりしたんです。
やっぱり、そういう感覚は僕にはないというか、ひろさわさんはやっぱり僕の100メートル上空を飛んでいるんだな、と思いました(笑)。
参加者D:
アニメーションの雰囲気がすごくいいなと思って、楽しく見させていただきました。
あと、「右」「左」の文字のところを見ていて思い出したんですけど、昔、ある方向から見ると「男」に見えて、別の方向から見ると「女」に見えるガチャガチャを持っていたんです。
「あ、あれだ」と思って。
見る方向が変わると、文字の切り込み方によって別の文字に見えるような仕掛けになっていて、そういうところも面白いなと思いました。
あと、絵がすごくきれいで、とても見やすかったです。
参加者E:
どれだけイメージを飛躍させながら、それでいてちゃんと繋がりも感じられるような、魅力的なものを出せるか、という作品だと思うんです。
僕は見ていてすごく気持ちが良かったです。
特に印象に残ったのが、終盤で目を起点にして左右の顔が行ったり来たりする場面なんですけど、すごく気持ちいいなと思って。
あれは、どういう発想で入れられたんでしょうか。
ひろさわ:
あれは、目が三つとか二つあるように見えるんだけど、実際に見えているのは一つだけなんですよ、というものなんです。
普通に中割りを描いてつなぐだけだと、ちょっと面白くないかなと思って。
ちゃんと繋がってはいるんだけど、少し現実離れしたものを描いてみたいな、という気持ちで作りました。
*Animation Runs!(アニメーション・ランズ!)
兵庫県姫路市を拠点に2015年から開催している短編アニメーション上映会。
国内外の作家・学校・団体による作品を紹介している。
Axi(s)Rhythmと同じ主催者が運営している。
〔2026年7月28日(土)オンラインミーティング より〕
【文責:Axi(s)Rhythm】



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