『Motion』(飯田二歩 監督)インタビュー&感想
- 5月1日
- 読了時間: 5分

Axi(s)Rhythm:
作品制作の経緯についてお聞かせください。
飯田:
テーマとしては、「動き」をメインに作りました。私は普段、キャラクターアニメをあまり作ったことがなくて、動きに関する参考書や「踊ってみた」系の動画を見ているうちに、自分でもキャラクターを動かしてみたいと思ったのが最初のきっかけです。
ガイコツにした理由としては、人物を描くと服装や髪の毛、シワやなびきなど、どうしても細かい要素が増えてしまって、外見の方に目が向きやすくなるんですね。
今回はどちらかというと「動きを見せたい」というより、「魅せたい」という感覚で、余計な要素を省くためにガイコツにしました。
制作については、もともと一枚の静止画から始めています。Adobe Stockの素材からガイコツのイラストを取り、それをPhotoshopでパーツごとに切り分けて、After Effectsで角度などを調整しながら動かしています。
動きに関しては、振り付けといっても自分はダンスが得意なわけでもないですし、ダンス動画をしっかり研究しているわけでもないので、「ガイコツが踊っているように見える」ことを意識して作りました。
動きや画面配置はAfter Effectsで調整しながら、画面の配置を演出して、また繰り返しを使って構成しています。そうすることで、ガイコツが踊る中で、より動きが際立つようにしています。
参加者A:
動きがとても面白くて、私の下の子が3歳なんですけど、たまたま一緒に見ていたら「もう一回見たい、もう一回見たい」と何度も言っていて。
確かに、言葉がいらないというか、言葉がなくても楽しめる面白さがあって、何度も見たくなる作品だなと思いました。
特に個人的に好きだったのは、音楽のフレーズが止まったあとに、ちょっとピョコっと動くところです。あそこに少しこだわりを感じて、その動きがアクセントになっていて、とても印象に残りました。
飯田:
お子さんも見てくださったとのことで、本当に嬉しいです。
動きについてなんですが、自分としては、ただ単純に関節を曲げたり動かしたりするだけではなくて、できるだけ自然に見えるように意識していました。例えば、ジャンプする前に少し力をためるような予備動作を入れたり、緩急をつけたりしています。
いきなりジャンプするのではなくて、ちょっとグッと力を入れてから跳ぶことで、「ちゃんとジャンプしている」という感じが出るようにしていますし、着地のときも、そのまま止まるのではなくて、一度少し沈み込んでから戻るような動きを入れています。
一瞬だと分かりにくいかもしれませんが、そういった細かい予備動作や緩急を入れることで、自然な動きに見えるようにしています。ほんの少しの差なんですが、そこは意識して作っています。
音楽については、Audiostockなどでまず楽曲を選んで、それに合わせて映像を調整しています。何秒ごとにシーンを合わせるかを考えながら、全体としてはループ感のある構成なんですが、単調にならないように、エフェクトを変えたり、動きを左右反転させたりして、ループの違和感を減らすように工夫しています。
シーンの切り替えも、できるだけ楽曲に合わせて自然につながるように調整しました。
参加者B:
事前にキーワードとして「日本人は金太郎飴がお好き」と書いたんですが、この作品を観ていて少し風刺的な印象を受けたので、その点について少しお話しさせてください。
まず、飯田さんのアニメーションはいつも気持ちよくて、軽快な動きがとても楽しく、拝見しています。自分がアニメーションを作るときは、どうしても難しく考えてしまって、「どう動かそうか」と悩んでしまうんですが、飯田さんの作品を観ていると、「もっと素直に、感じたままに動かしていいんだ」と教えてもらえる気がして、とてもありがたいです。
そして金太郎飴の話なんですが、日本人は横並びが好きだなと感じることがあって。僕自身はあまり横並びが好きではないんですが、みんなが同じことを考え、同じことをする傾向があるように思うんです。会社の中でも、そういう場面を感じることがありました。
今回の作品では、ガイコツたちが同じ動きで揃って動いているのを見て、日本人の同質性のようなものを連想しました。そういう意味で、これを少し風刺的に見ることもできるのかな、と感じたんです。
そういった同質性をチクチクと突くような意味で、「日本人は金太郎飴が好き」と書かせていただきました。少し穿った見方かもしれませんが、そう感じたということで。失礼いたしました。
飯田:
金太郎飴、というようなことは、あまり意識していなかったですね。
むしろ自分としては、同じシーンをそのまま繰り返すのがあまり好きではなくて。ただ、一体だけがジャンプしたり踊ったりするのも少し寂しいなと思って、1枚のレイヤーで複製できるエフェクトを使って、集団で体操したり、舞ったり、踊ったりしているような形にしました。
一体一体に個体差をつけると、どうしても作業的に大変になってしまうので、その点では結果的に金太郎飴のように見える部分もあるかもしれませんが、制作上の理由で、一つのレイヤーを複製するエフェクトを使っています。
Axi(s)Rhythm:
たくさんのものが同じ動きをすること自体に、ある種の快感があると思うんですよね。作品の主旨とは違うかもしれませんが、同じ動きを突き詰めていくと、快感と同時に、何か怖さのようなものも感じられる。
原始的なレベルで「動き」というものは、その両方を併せ持っているのかな、という気もしました。
参加者B:
僕はつい余計なことを考えてしまうんですが、飯田さんのフィルムは、本当にシンプルでストレートに楽しさを表現しているところが魅力だと思います。
だからいつも、「ひねくれずに、こういうふうにストレートに作ればいいんだ」と学ばせていただいています。
Axi(s)Rhythm:
背景はシンプルで、完全な白ではないトーンにされていますが。
飯田:
背景については、これもAdobe Stockの無料素材からテクスチャーを取得しています。
ただ単に貼り付けるだけではなくて、After Effectsにある絵画系のモードを使って、いろいろ試しながら質感を調整しました。
紙のような質感に近づけたかったので、それに合うモードを選んで、不透明度も少し下げたりして調整することで、ガイコツも背景と馴染むように工夫しています。なので、単純にテクスチャーを貼っただけではないですね。
〔2025年10月23日(木)オンラインミーティング より〕
【文責:Axi(s)Rhythm】



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