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Axi(s)Rhythm Film Meeting
アクシリズム
シジフォスの弟子
山口健太 / Yamaguchi Kenta
2024年/ 13分07秒

家という閉ざされた空間で響く母の声は、息子の身体をマリオネットの糸のように操る。この実験的劇映画は、息子の後ろめたさと罪悪感を通じて、家族内の支配と服従の権力構造を暴き出す。
アルベール・カミュの『シジフォスの神話』に着想を得た本作は、家族という制度の中で息子が日常的に感じる不条理と徒労を追求する。母の声に呼応する息子の断続的な動き、そして言葉の断片が織りなすリズムの中に、その不条理の本質が宿る。息子の関節は、どこからともなく響く母の声によって操られ、彼の後ろめたさが家父長制の隠された骨組みを浮かび上がらせる。
作者自身の身体と声を通じて、家族の不条理と家父長制の軛を解体し、観客にその重みを身体的に体験させる作品。
■スタッフ・キャスト
【出演】山口健太 / 藤井アンナ
【撮影】大熊誠一郎
■監督プロフィール
1994年、東京・町田生まれ。映像作家。幼少期からサッカーに打ち込むが、大学二年生時にめまい症に悩まされ、大学を中退。約二年間、引きこもりの日々を過ごす。
引きこもりの期間中に読んだ本や、観た映画に影響を受け映画の世界に没頭。映像制作を志す。
イメージフォーラム映像研究所で学び、作風を「自身とその周囲を軸に、社会の軋轢が生む構造を自作自演で探る劇映画」と定めた。内面の葛藤や衝動、それに対する社会や制度の反応を、生々しく探求する作品をつくり始める。
卒業制作『赤い玉がない!』(2020)はイメージフォーラムフェスティバル2020東アジアコンペティションに入選。その後、インディペンデント映画の上映団体「グラウンドレベルシネマ」を設立。年3回、日本と台湾の作家の作品上映や観客とのトークイベントを企画・運営し、自身も年1本、新作の短編を発表している。
近年は「山(Yama)」名義でAJ(Action Jockey)パフォーマンスを展開。自身の映画をライブで解体・再構築する実験的な試みを行い、アートイベントやクラブカルチャーの場で観客や出演者との即興的な対話を生み出している。
グラウンドレベルシネマHP:groundlevelcinema.com
X:https://x.com/kenyam1994
instagram:https://www.instagram.com/kenyam1994/
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